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【学生レポート】6/5 TALKING “Social Career” ~福祉公務員として働く~

TALKING “Social Career” ~福祉公務員として働く~

6月5日に、関西学院大学人間福祉学部山本ゼミの学生による企画で「TALKING “Social Career”」を開催しました。
テーマは福祉公務員としての働き方。ゲスト・スピーカーとして、神戸市役所から3名の職員の方々に名お越しいただきました。

まずは、萩原真一郎さん。大学卒業後、一般企業に就職した後、社会人採用枠で神戸市に就職。精神障害福祉担当として3年間勤務しその後は教育委員会で経理の仕事に。現在は神戸市の外郭団体に勤務されており、「神戸市」を一歩外から見る立場で神戸という街に関わっています。

萩原真一郎さん

萩原さんのトーク内容

神戸市職員になるきっかけとなったのは、認知症の祖母。祖母が家の周囲を徘徊するようになったことから、福祉について考え始める。幸い田舎の地域だったので、友人が祖母の様子等を伝えてくれたりする共同性が残っていたが、もし祖母のようなケースが都会で生じていれば、地域の繋がりの希薄化のために協力が生まれなかったり、事件や事故に巻き込まれたりするのではないかと気づいた。
仕事での印象的なエピソードがある。ある70代の父親と40代の精神障害の息子の話。即時入院しなければならないほど重度な症状の息子の受け入れ先の病院が見つからないため、どう対応すべきかという方針に苦慮したという。その後は悲愴な結末を迎えることになるが、その時の判断が今も心に残っているとのこと。公務の仕事の重さが語られました。

【萩原さんから学生へのメッセージ】
「学生の間に海外へ!もちろん勉強もしっかりやろう!」

「Talking“Social Career”」の模様

 

2人目は、今宮湧志さん。大学卒業後、神戸市役所に行政職として入職。最初の仕事は生活保護関連の対応。3年勤めた後、子ども家庭局総務課に異動となる。現在は、人事をはじめ、局全体の調整役をこなすハードな日々を送っている。

今宮さんのトーク内容と所感

「実を言うと、大阪地検や神戸税関の公務員試験も合格していましたが、神戸で生まれ育ち、神戸の良さを伝える仕事がしたいことから神戸市職員となった」とのことです。素晴らしい郷土愛!
今宮さんの経験に基づいたアドバイスの中でも、「福祉に正解はない」という言葉が印象的でした。対象者に合ったそれぞれのアプローチがあり、当然職員同士でも議論になる。支援方法を選択する際、Bestな選択肢は無く、Betterの中から選んでいく時もあれば、Badしかないケースもある。限られた時間・資金の中で、自分は何ができるのかを問い、可能な限りできることを模索する。今宮さんはこのことを肌で学ばれたそうです。この「福祉に正解はない」という言葉が胸にジーンと響きました。

【今宮さんから学生へのメッセージ】
「学生時代にしかできないことを!福祉以外のこともやってみよう!」

今宮湧志さん

 

三人目は泉綾子さん。大学卒業後、神戸市に福祉専門職として採用される。初めての仕事は今宮さんと同じく生活保護関連の対応。3年勤務した後に女性・母子相談の仕事に就く。今後も、福祉の仕事を続ける福祉のプロフェッショナル。

泉さんのトーク内容
『シーラという子』という本の影響を受け、大学で教育と福祉の両方を学ぶ。在学中に社会福祉士の資格を取得。学生時代には、製薬会社への就職、神戸市の福祉職、大阪市の特別支援の教員、という選択肢の中で悩む。最終的に、母子の支援をしたいという想いから、神戸市の福祉職を選んだ。
神戸市職員のエントリーシートを書く際には、「仕事を通して何をしたいか」という問いを何度も自問自答した。職員になってから方向転換する時があってもこの「初心」が自分の中で固まっていれば、そこに立ち戻り、今ある選択肢についてきちんと考えられる。

【泉さんから学生へのメッセージ】
大学を出てからも勉強の毎日です!私自身も今後は、子どもの虐待の問題や、職員のサポートもしたい、係長になりたい!そのために勉強を続けています。

泉綾子さん

とにかくゲスト・スピーカーさんは話がうまいので、話に聞き入ってしまいました。

姉妹のように歳の近い方のお話が聞けたのは貴重な経験でした

「俺も苦労したんだぞ。でも公務員は楽しいぞ」
「はい、先輩」

「君たち、真面目だな。神戸市役所を受けないか?」

司会も務めました。
「本日は貴重なお話、本当にありがとうございました」

所感
ゲスト・スピーカーの方々がフランクに学生にわかりやすいように話してくださったので、非常に興味深くお話を聞くことができました。市の課題や各部署の仕事内容などは私達でも各自で調べることができますが、具体的な体験談や志望動機、やりがいという深いところまで踏み込んで聞くことができるのが「TALKING “Social Career”」の魅力です。
公務員と一言に言っても様々な仕事があります。公務員という職業地位に対して、安定したホワイトカラーの職業であるといったイメージが世間一般にはあると思いますが、実際には住民の生活と命に直結しており、緊張感のある場面に遭遇することもあることを知りました。また、たとえ最初は自分がやりたかった仕事ではなくても、経験を積むうちにやりがいを感じることがある事が分かりました。勇気が出てくる言葉をありがとうございました。

文責 関学山本ゼミ